どんな運転をしていてもほんの少しの不注意で起きてしまう「バッテリー上がり」。例えばクラシックカーなどの高級車を保有している場合、ガレージや室内に飾っておいてあまり乗ることがないこともあります。久しぶりに運転しようと思っても、バッテリーが上がってしまって乗れないということもあるでしょう。
そんなときすぐ修理に出す必要はありません。適切な応急処置でバッテリーは復活します。今回はそんなバッテリー上がりへの対処法と、対処できないほどバッテリーが上がってしまった車の処分の方法を紹介していきます。
バッテリーが上がってしまったら
まずはどうしてバッテリーが上がってしまうのか、その原因と対処法について説明します。
バッテリーが上がる原因とは?
車が動くためにはガソリンだけではなく電気が必要で、その電気は車が自分で作っています。電気は車が動いている間にバッテリーに貯められます。貯めた電気を使ってエンジンをかけたり、エアコンやカーナビを動かしたりしているのです。バッテリーに貯められている電気は使わないと自然に少しずつ減ってしまいます。
そうして、長い間乗っていない車はバッテリーが上がってしまいます。つまり、バッテリーにエンジンをかけられるだけの電気が蓄えられていない状態が「バッテリー上がり」なのです。また、アイドリングしているときに作られる電気の量は、走行中に比べるとかなり少ないので、その間にカーナビでテレビを見たりしているとバッテリーが上がってしまうことがあります。
バッテリー上がりは冬になると起こりやすくなります。これは電気を作るために必要な化学反応の効率が下がってしまうためで、冬に車を使う場合はより気をつけなければなりません。
バッテリー上がりをチェックする方法
バッテリー上がりになりかけているかを知る方法があります。4つの点をチェックしてみましょう。
バッテリー上がりの対処法
バッテリーが上がってしまった場合でも、焦らずにしっかり対処すれば自分でも復活させられます。手段は3通りあるのでその場に応じて使い分けましょう。
【救助車に協力してもらう】
他の車に「ブースターケーブル」というバッテリー同士をつなぐケーブルを使って電気を分けてもらう方法です。
① 救助車のエンジンを停止させ、ブースターケーブルをつなぐ
赤いケーブルをプラス端子、黒いケーブルをマイナス端子、そしてバッテリーの上がった車の金属部分に順番につなぎましょう。
② 救助車のエンジンをかける
トランスミッションがAT車はパーキング、MT車はニュートラルになっているか、そしてサイドブレーキはかかっているかをしっかり確認しましょう。救助車はアクセルを踏んでエンジンの回転数を高めに維持します。
③ バッテリーが上がってしまった車のエンジンをかける
ここでエンジンがかかれば応急処置は成功です。エンジンを止めてしまうと再度バッテリーが上がってしまう危険があるので気をつけてください。
④ ブースターケーブルを外す
取り付けたときとは逆に、金属部分のマイナス端子、救援車のマイナス端子、救援車のプラス端子、そして最後にエンジンがかかった車のプラス端子です。順番を間違えると火花が出たりするので気をつけてください。ブースターケーブルはカー用品店やネット通販で購入できます。ケーブルの長さや流す電流の量によって価格も変わってきますが、数千円がおおよその目安でしょう。
【ジャンピングスターターを使う】
ジャンピングスターターというアイテムを使ってエンジンを動かす方法です。蓄電機能のあるジャンピングスターターを使用するので自分1人でおこなえます。
① ジャンピングスターターに付属されているケーブルをバッテリーに接続する
ブースターケーブルと同じで赤と黒のケーブルで赤をプラス、黒をマイナスの端子につなぎ、ケーブルをジャンピングスターターに接続したら準備完了です。
② 電源を入れ、エンジンを始動する
ジャンピングスターターの電源を入れて1分ほど待ち、エンジンを始動させます。エンジンがかかれば成功です。
③ 電源を切り、ケーブルを外す
ジャンピングスターターの電源を切って、ケーブルをマイナス→プラスの順で外します。
④ 約30分走行してバッテリーに電気を溜める
救助車での応急処置と同じくバッテリーには電気がほとんどありません。エンジンを止めることなく30分ほど走行することによってバッテリーに電気を貯めましょう。ジャンピングスターターはカー用品店やネット通販でも売られています。もしものときのために1つ車の中に積んでおくといいでしょう。
【ロードサービスを呼ぶ】
他に通る車もないし、ジャンピングスターターもない、そんな困ったときに頼れるのがロードサービスです。会社によってサービスの内容は異なりますが、ここでは一般的な方法を紹介します。まずロードサービスに連絡します。
故障車の位置を正確に伝え、車名やナンバー、車体の色やどんなトラブルなのかも伝えます。
通常ならば連絡から1時間ほどでサービスカーが到着して救援をおこなってくれます。ロードサービスはバッテリー上がりだけでなくさまざまなトラブルにも適切な対処をおこなってくれるので、加入しておいて損ないと言えるでしょう。また、自動車保険に付帯されていることもあります。
バッテリー交換にかかる費用
バッテリー上がりの対処法にはもう1つ「バッテリー交換」という方法があります。しかしこの方法は、自分でおこなうには少し難易度が高く、他の方法より危険です。また、カーショップやディーラーに依頼すると数万円ほどかかってしまいます。バッテリーが古くなってしまい頻繁に上がるようになったら交換も視野に入れていいかもしれませんが、バッテリーが上がるたびに毎回交換するわけにもいきません。
タイミングを見計らって、必要なときだけバッテリー交換するとよいでしょう。最近の車はバッテリーが高くなってきていると言われます。なぜ高くなっているのでしょうか?昨今の車には「アイドリングストップ」や「ハイブリッド」など従来の車にはなかった機能が搭載されているからです。
そういった車のバッテリーは通常のものより高価なものが多く、その分、自分で交換することが難しいと言われます。少しの間違いでせっかく高いお金を支払って買ったバッテリーが使いものにならなくなったら大変です。やはり交換をするときはプロに任せたほうが賢明と言えるでしょう。
もう乗らないのなら処分しましょう
ここまで上がってしまったバッテリーの応急処置の方法を説明してきましたが、もう乗らないのであればいっそのこと処分してしまうという選択もありだと思います。処分すると言っても、車の登録を抹消しスクラップにしてリサイクルされる「廃車」と、中古車販売会社やディーラーに引き渡す「売却」の2つの方法があります。廃車と売却、それぞれメリットとデメリットがあります。
【廃車】
メリット
デメリット
【売却】
メリット
デメリット
一見すると廃車のほうが、デメリットが少ないように見えますが、車を処分するのに1番大切なのは「どれだけの金額になるか」でしょう。お金の観点から見ると、処分するなら「業者に買い取ってもらう」方法をオススメします。少し手間はかかりますが、まだそこまで古くない車なら価値がありますし、大切な車を廃棄してしまうより、新しい乗り手の元に渡ったほうが気持ちも良いでしょう。
しかしバッテリーの上がったままの車を買い取りに出してもいいのだろうか?と思っている方もいるかもしれません。事前にバッテリーが上がっていることを連絡しておけば、買い取り査定の際に対応してくれる業者もいます。バッテリー上がりによる買取価格の変化は基本的にはほとんどありませんが、買い取り業者によって違ってきます。複数の業者から査定を行い、買取価格を比較することが大切です。
査定から買取までの流れ
ではどうやって車を売却すればいいのか、ここではその手順を流れに沿って説明します。
査定の申し込み
まずは車をいくらで買い取ってもらえるか、査定の申し込みをします。もっとも簡単な方法は「一括査定サービス」です。サイトに売りたい車の車種や年式などの情報を入力し、査定の依頼をします。
必要な書類の準備
査定の前に必要な書類を準備しておきましょう。
などが必要になってきます。整備記録簿や純正品のオプションは査定額が上がる可能性があります。
買い取り
必要な書類が準備されている場合、買取店が手続きを進めてくれるでしょう。車を手放す際はもう1度車内をチェックしておくことが大切です。ダッシュボードやオーディオ内に忘れているものがないか確認して、カーナビに登録されている個人情報は消去してあるかも確認しておきましょう。買取が成立したら代金が入金されるのを待つだけです。業者によって違いはありますが、数日の間に振り込まれることが多いようです。
まとめ
バッテリーが上がってしまったら車は動きません。突然のトラブルに戸惑ってしまうかもしれませんが、応急処置は難しくありません。突然困ったら周りの車とつなげる、ジャンピングスターターを使うなどして冷静に対応しましょう。場合によってはロードサービスを呼んで助けてもらいましょう。
もう乗ることがない車でバッテリー上がりしたのなら、車を売却してしまうことも考えてみましょう。多くの業者に査定をしてもらうことが車を売る際のポイントです。少し手間かもしれませんが、一括査定を活用すると簡単になります。大切な車に見合っただけの金額で買い取ってくれる業者をしっかりと選びましょう。